以前の研究概要は、こちらのページ をご覧ください。

このプロジェクトについて

2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」では、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、ここに17の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」 が定められました。このSDGsの目標14として「海洋資源の保全および持続的な利用による持続可能な開発」が掲げられています。そして、SDGs目標14の実現に向けた大きな国際的な動きのひとつとして、  現在、国連の場では、「深海底」を含む国家管轄権外の海域(areas beyond national jurisdiction=ABNJ)において、「遺伝資源」、「海洋保護区を含む場所本位の管理手法」、「環境影響評価」そして「能力醸成・技術移転」を柱とする新たな制度構築の検討が進められています。世界の海はひとつにつながっています。そのため、海洋資源の保全および持続的な利用を進めていくためには、先進国だけではなく、途上国も含め、グローバルに一定な水準の海洋調査・監視データに基づいて正しく海洋の環境影響を評価し、海洋環境を保全していくことが重要です。

YNU-DEEPSでは、平成29年度までのプロジェクトにおいて、YNU-DEEPSと共にSIP次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)を進めてきた海洋研究開発機構(JAMSTEC)国立環境研究所(NIES)と共同で、海洋環境影響評価(Marine Environment Impact Assessment: MEIA)のための海洋調査・監視技術の、ISOによる国際標準化に向けた準備を開始しました。平成30年度は、海底資源開発の推進を考えている太平洋島嶼国をはじめとする途上国に対して、今後、これらの技術に関し、どのように「能力醸成・技術移転」を行い、国際展開することができるかを考えていきます。

具体的な研究計画は、以下の通りです。

 

A. 海洋環境影響評価技術の国際展開及び企業の海外進出支援のための諸制度等の研究

① 海洋環境影響評価の技術的手法の国際展開のための社会科学的側面の調査

独立行政法人国際協力機構(JICA)等の国際協力機関や太平洋共同体(SPC)等の太平洋島嶼国関係者へのヒアリングを実施し、海底資源調査・開発に関する技術の能力構築や技術移転に関する枠組みや相手方の希望などを把握します。また、横浜国大の留学生受け入れ制度等にも着目し、能力構築や技術移転のための日本側の「受け皿」機能について調査し、具体的な取り組み方についての情報収集と整理を行います。

 

② 企業の海外進出に向けた太平洋島嶼国の社会状況、法整備状況および国際ルール等の調査

 太平洋島嶼国をはじめとする各国の海底鉱物資源開発に関連する国内法整備および履行の状況や社会状況、並びに赤道原則や国際金融公社の作業標準(IFC原則)等の融資条件や鉱物資源開発に関わる国際ルール等、日本企業が海外、特に、太平洋島嶼国に進出する際に参照すべき項目を抽出し、「社会科学リファレンス」としてとりまとめます。なお、海底鉱物資源関連産業は、現状ではまだ、必ずしも十分に産業として成熟していない状況ではありますが、日本では、世界に先駆けた技術開発が進んでいます。そこで、日本の関連産業の現状を把握し、動向について整理していきます。

 

B. 海洋環境影響評価に関するISO国際標準化推進の支援

① 2017年5月にISOの予備作業項目(Preliminary Work Item: PWI)として登録された以下の4つの項目について、             海洋研究開発機構(JAMSTEC)国立環境研究所(NIES)と共同で、ISO国際標準化に向けた準備を実施・支援していきます。

 ・ISO/PWI 22781 海洋環境影響評価方法の技術的手法の基本要件

 ・ISO/PWI 22782 深海環境の長期現場画像観測

 ・ISO/PWI 22784 メイオファウナ群集観測の基本的手法

 ・ISO/PWI 22785 藻類の遅延蛍光発光を利用した海水水質監視のための船上バイオアッセイ手法

これらのISO国際標準は、国際標準化機構(ISO)技術委委員会TC8(船舶海洋技術)SC13(海洋技術)において制定作業を進めています。

 

② 現在、ISOによる国際標準化を進めている海洋環境影響評価の技術的手法について、具体的な適合性評価の方法を検討します。